第10回読書会『ムーミン谷の仲間たち』報告(後編)
(2019年8月3日開催,参加5名)
ニョロニョロのひみつ
・何の説明もなくいきなり家出するムーミンパパ。昭和の一時期に流行った(?)「蒸発」を連想する。
←「風船おじさん」というのもありましたね……
・ニョロニョロの原語(スウェーデン語)はHattifnatt――「優柔不断」hatta+「放浪する」fnattaの合成語。昔の本ではそのままハッティフナットとなっているが……ニョロニョロは名訳!
・ニョロニョロには個性がない。しかしムーミンパパは島に大集結したニョロニョロの中から自分と同じボートに乗ってきたニョロニョロ達をなんとか見つけようとする。実に人間的な心の動き。
・ムーミンファンの中にはニョロニョロのファンも多く、グッズが色々出ている。笑ってしまうほど使いにくいニョロニョロ型のトングなどもあるとか。
←ニョロニョロ型の孫の手(電動で時々ビリッとくる)はどうか。靴べら(ビリッとこない)もいいかも。ムーミンバレーパークで売ったら(ry
スニフとセドリックのこと
・断捨離の実によいテキスト。
←自分もオモタ! 『ムーミン谷の十一月』のフィリフヨンカの掃除シーンは大掃除のモチベーション上げに、「スニフと~」はモノの取捨選択のモチベーション上げに大いに役立っている。
・モノへの執着心が断ち切れないスニフをお話で説得しようとするスナフキンの意図がわりと最初から見抜かれている。やや場当たり的で拙い感あり。
・どうしてスナフキンは自分の「金とローズウッドでできたハーモニカ」が「ママのおばさん」から送られてきたものとわかったのか?
あの人は、そういう品物を、みんな小包でおくりつけたんだよ――しかも、うけとった人には、おくり手がだれだか、ちっともわからないふうにしてさ。
・天蓋付きの巨大なベッドが本当に金無垢だったら床が抜けてしまうのではないか。
・「作者より」とある末尾のかっこ内は蛇足では? 自分はない方がいいと思った。
春のしらべ/もみの木/ぞっとする話
・ムーミン世界の「はい虫」という概念。その多大勢的キャラの中で二足歩行(ヒューマノイド)タイプがクニット、「春のしらべ」のティーティ=ウーのような小動物タイプがクリュープ。両者の総称がはい虫。
・スナフキン、他者に干渉しないのが持ち前かと思うと意外に面倒見のいいところがある。ヤンソンの昔の恋人がモデルという説もある。(春のしらべ)
・いきなり屋根から侵入してきてクリスマスを祝うことを強要するヘムル。やはりそういう種族なんですねぇ。(もみの木)
・ミイはどうしてホムサの最も怖れているもの(生きたきのこ)を知っていたのか?
←弟のおもりをしながら何やらぶつぶつ言っているのを目撃されていた。独り言で口に出していたのでは。ミイのストーリーテラーぶりが光る作品。(ぞっとする話)
【お持たせ】基本的にはお気遣いなく。感謝をこめて記録。
◇神楽坂茶寮 焼き菓子
【お茶菓子】ブールミッシュ ミニトリュフケーキ
BOUL'MICH ブールミッシュ| 東京・銀座本店のフランス菓子ナショナルブランド
暑さでぼーっとする余りお菓子の写真を撮り忘れました、すみません……
突発アフター:護国寺mautee探訪
いつもより多めに転がっております。