読書会「K社のとなり」

定員5名ていど、期間限定で開催中の小さな読書会の記録です。

第3回読書会(課題本形式)『ジキルとハイド』報告

(2019年3月23日開催,参加3名)

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第3回報告

●死体はハイドだったのに、ジキルの死をどうやって確認したのか?

← 法的には通らないだろうが、後に本人の手記の記述により物語的に追認したのか……

●カルー卿殺人事件の章で「チョコレート色の霧」と書かれているのはもしかしてスモッグ? 

← この頃のロンドンは産業革命の最盛期だからスモッグも盛大だったと思われる。ちなみに19世紀前半ぐらいは人口爆発によりロンドンは墓地が払底し、埋葬も思うようにできず屍臭がたちこめていたとか!

← 「チョコレート色の霧が~」につづく、陰影に富んだロンドンの描写は結構美しいかも。自分は好き。

●変身の際に身体的苦痛を伴うという概念のルーツはどのへん?

← 変身の際に苦悶するのは、狼男が多い(映像表現)。ただし、ヴォルスンガ・サガ(『ニーベルンゲンの指輪』の原点)では、「魔法の毛皮」を被るとオオカミになるという描写で、今のような苦悶の描写はもしかしてTVシリーズの「ハルク」あたりがルーツ?(教えてエラい人)

●ジキルさんは「人間は二面性があって当たり前」と気づいているのに、なぜあえてそれを分離するような「お薬」を使っちゃったの?

← 飲んだらどうなるか、そもそも深い考えはなくてとりあえず「できそうだから、試してみよう」だったのでは。

←「死ぬかもしれない」と承知していながら飲んでしまったのはメンタル的にかなり煮詰まっていた証拠では?

●じつは変身薬の原料に不純物があったために変身に成功して、後の原料は不純物のない「上物」だったのに効果がない。こういうことがあるのにジェネリック薬って本当に大丈夫?

← 自分もオモタ! 薬局で「このお薬にはジェネリックがありまして××円安くなります」と言われるたびに『ジキルとハイド』を思い出す。

●二重人格の代表みたいに言われているけど、実際には二重生活なのでは?

← ですよね。しかも使い分けができずつねに苦痛をおぼえていたジキルさん、不器用な方だった説

●目が覚めたらハイドになっている。「ジキルに戻れない!」と焦り苦悩する主体は誰? ハイドになりきっていれば悩むことはないだろうに。

← 自分はSFとかゾンビもので人外のモノに意識を乗っ取られながらも最後のひとしずくの人間性で自殺するパターンを連想した。

●この作品の構成要素になっている「書簡」「手記」がいつ・誰から・誰へわたったのか、またその中に書かれている出来事を時系列でリストアップしていくとまた新たな発見あるかも?

 

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